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2.27

『苦い銭』

見ても見ても陰鬱な気分にしかならないドキュメンタリーに結構人が入ってるってやっぱりTOKIOは凄いなあと、ワン・ビン監督『苦い銭』を。
現代の中国、田舎から都会(?)へ長い間満員の電車やバスに揺られ、出稼ぎ労働に来る若者たち。朝から晩まで工場とも呼べないような縫製場で誰が着るかもわからないコピー商品を延々と作り続ける。そこで入れ替わり現れる若い女やどうしようもない中年男たちは、一見誰とでも代替可能なようで、でもそうではない瞬間がもちろんあって(なのであの字幕は不要だったと思う)、決して三時間近く退屈はしない。
映る町や部屋、すべてが小汚くて、貧しくて、薄暗いのに、不思議と悲壮感のない、むしろ絶望すらないような中国の若者たちの姿、って思えたのは一昔前で、現在じゃ日本もたいして変わんないのかもね。中国でもやっぱり女はたくましいし。一元が17円と知ったときは結構衝撃でしたけど。
相変わらず、よくこんな図々しい撮影できるなあと感心しました。全然かっこよくない映画。
それにしても、『苦い銭』と『サファリ』を同時期に上映してるイメージフォーラムさん、なかなか攻めてますね。