3.15
『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』
サリー・ホーキンス&イーサンホークと豪華な主演のわりには地味に公開しているアシュリング・ウォルシュ監督『しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス』は、映画自体も至ってシンプル且つ地味な作品だが、とても良かった。見ながら、100年ぶりくらいに「夫婦って、結婚って、いいな…」と思った。心の荒んだ方に強くオススメ。
カナダの小さな港町で、足の不自由な女と無骨な魚売りの男が家政婦と雇い主として出会い、喧嘩したりしつつもやがて夫婦になる。そんな中で彼女が描いている絵が大人気になるも、ふたりの質素な生活は変わらないまま、静かに老いていく。田舎町のこれまたシンプルすぎる景色とほんとに何もない家もどこか絵画っぽく美しい。
はじめは主従関係だった男女が、時間が経つにつれだんだんと不思議なバランスの夫婦になっていくのが面白く、久しぶりに女の尻に敷かれてないイーサン・ホーク見たなと思ってたらいつのまにか主夫になってたのには笑った。お互いをボロボロのくつ下に例え、ふたつでひとつだと言うシーンはホロリとした。しあわせはもちろん人それぞれだけど、欲深い人間にはなりたくないなと。
で、最後に流れる本人映像で実際のふたりをみたら、本当にそのまんまなのな。