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3.16

『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』

アパトー先生プロデュースというのでもっと笑える映画かと思っていたら思いっきり泣かされてしまった、マイケル・ショウォルター監督『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』。しかし、アッパーな音楽に無能なルームメイトなど、ニコニコしてしまうラブコメ要素は満載であった。
パキスタン人のクメイナル・ナンジアニが自身と奥様の体験を脚本にし、その主演まで演じる、ということで、イーストウッド的な本人実話映画と似てるといえばそうなのかな。作風は全然違うけど。
伝統的な家族と共にアメリカに住むパキスタン人の主人公(職業はコメディアン)は、白人の彼女と恋に落ちるもそのことを家族に言い出せず、結果彼女を傷つけてしまう。そんな中ある日突然彼女が昏睡状態になったと知った彼がとった行動とは…。と、個人的には中々笑えない内容であることはとりあえず置いといて、映画の大半は昏睡状態の彼女を前に、主人公と両親のやりとりがさすがアパトー先生と感心してしまう宗教や国境をさらりと乗りこなす面白さに満ちていて。ライブハウスでブチ切れるホリー・ハンターはめちゃくちゃかっこよかった。
特に美形とも感じなかったヒロインが、だんだんとたまらなくチャーミングに見えてくるのがアパトー映画の魅力でもあると思うんだけど、これもしかり。最後のゾーイちゃんには心奪われた。