BLOG

3.23

『ナチュラルウーマン』

『グロリアの青春』が嫌いじゃなかったので、セバスティアン・レリオ監督『ナチュラルウーマン』を見てみた。チリ映画だそうな。
最愛の人を突然亡くしたマリーナ、悲しみのどん底な上に自身がトランスジェンダーなことから容赦のない差別や偏見を浴びせられ…。
独特な幻想的なシーンが印象的な一方、一緒に住んでいた部屋を追い出されたり、葬儀にも参列させてもらえなかったり、酷い言葉を投げつけられる様子は見てるだけで辛く、こんな最低な身内がいるなら死ぬ前に一言言っといてほしかったな…と相手の男が憎くすらなるものの、実際にトランスジェンダー俳優であるダニエル・ヴェガのほぼ無表情な顔が大きな怒りを語っているようで、カッコ良かった。最終的に現実的には何も解決してない気もするけど、それでも最後の歌声が力強くて美しくて、これは邦題よりも原題の『ファンタスティックウーマン』の方が良かったんじゃないかと思った。