BLOG

4.04

『素敵なダイナマイトスキャンダル』

末井昭さんのことはほとんど知らぬまま、富永昌敬監督最新作『素敵なダイナマイトスキャンダル』を見たんですけどね、これは監督の前作『南瓜とマヨネーズ』同様、感度の悪い私の責任だと思うんですけどね、ほとんど同じ感想を抱いたのでした。
洗練された演出力、撮影や音楽の繊細な表現力、魅力的な役者さんたち、こだわり抜いた細部、と、どれもこれもものすごくハイレベルなお仕事だということはじゅううぶんわかったんですけど、「なるほど、こんな無茶苦茶な時代があったのね…」とぼんやり見てたら、ぼんやりしたまま終わった。ぼんやり課長。別に意味なんてなくていいんだけど、ありそうに見せかけてないのは疲れる。
結局この70年代アンダーグラウンドなサブカルチャー全体がぼんやりとした時代だった、ってことと呼応してるのかなとか、どう考えても長過ぎる138分という尺自体がこの時代の怠慢な雰囲気を表してるのかなとか考えてみたけど、多分違う。私がノレなかっただけ。
面白いエピソードとどうでもいい部分(父親のその後とかダッチワイフの職人とか自殺未遂する愛人とか、いっそ母親の涙とか、要らなくないか)がうまく噛み合ってない気がして、素敵ではあるけど、もっとダイナマイトにスキャンダルしてほしかったかな。
もちろん菊地成孔さんのアレには爆笑しました。