5.15
『フロリダ・プロジェクト』
監督の前作『タンジェリン』がだいぶ好きだったもので、ショーン・ベイカー監督『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』にいそいそと。こないだはiPhoneで、今回は35ミリでとのこと。
フロリダはディズニーワールドのすぐ側にある安モーテルに住むシングルマザーと悪ガキどもと管理人と。鮮やかな青空や虹に花火、ポップでキュートな建物たちのめまいがするようなカラフルで可愛らしい世界に、轟音を鳴らすヘリコプター。ファックを連呼しながらギリギリの生活費を稼ぐ大人と、おカネがあってもなくても無邪気にいたずらを繰り返す子どもたち。夢の国と現実を行き来するようででも確実に現実は残酷で、そんな中でウィレム・デフォーの控えめな優しさが泣ける。もちろん少女の涙にも泣いた。誰の理想でもないお母さんと娘ってのが良い。映画の中のアメリカも(『タンジェリン』のロスもか)。監督さん育ちの良さそうな顔してはるのになかなかの筋金入りなビッチ好きで、お話してみたい。