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6.16

『海を駆ける』

不勉強なあたしはディーン・フジオカ監督・主演『Iam ICHIHASHI 逮捕されるまで』は未見なのだけれど、深田晃司監督『海を駆ける』は見た。
インドネシアの海に突然現れた謎の男ラウ。記憶喪失らしい彼を一時保護した現地の日本人たちの不可思議な物語…、の中に、戦争とか津波とか人種とか宗教とか真面目な問題をさらりとぶっ込んできて、こちらも真剣に見なきゃいけない、のはわかるんだけど、信仰心ゼロの私が悪いのか、ほとんど話さず微笑むだけのおディーンさまの笑顔がどうにも薄っぺらく、本当ににやけたイケメンの浮浪者にしか見えず(ごめん)、失笑してしまった。この姿を見て「彼は神か悪魔か…」みたいなサスペンスな気分にはならねえなあ。それこそ浅野たーくんは偉大だ。
おディーンさまの起こす超常現象に対して(お風呂のお湯直してくれるとか、一家に一台おディーンさま欲しいなと思ったけど)、若者たちが「まあいいか」と軽く流すのは良かったんだけれど、大人たちもみんなそんな態度で、結局どうでもいいんかい、と。この何かありそうで何もない感は前作でも感じた。あと、先輩ジャーナリストの酷い行動とか、最後に倒れる鶴田真由とか、投げっぱなし過ぎじゃないか。
流暢にインドネシア語を話す日本人の役者さんたちには感心した。冒頭2カット目のおディーンの背中は衝撃だった。