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7.07

『東京暮色』

ほんとは全部見直したかったけど猛暑に負けてでもせめて一本だけでもと「小津4K巨匠が見つめた7つの家族」にて4Kが何かもよくわかってないけど小津安二郎監督『東京暮色』(57年)を、もしかしたら高校生のときVHSで見て以来か?大井武蔵野館でもこれを見た記憶がない。
なのでそんなガキのときに見たのとは完全に違う映画を見たような衝撃、ブルーな話ってのは覚えてたけどここまで陰惨やったけな…。原節子の凍った笑顔が怖い、人非人過ぎる若い男たちが怖い、ダークなシーンにずっと流れてるやたら軽快な音楽が怖い。これが4K効果なのだろうか。こんな映画に惹かれてた10代の自分が一番怖いけど。笠智衆の笑顔にさえ陰を感じ、珍珍軒のマスターだけが救いだった。
場内はフィルムセンターも驚きのお年寄り祭りで結構いっぱい、歩くのも大変そうなおばあちゃんとかが暑い中新宿まで出てきてでも見たいのか(しかもこんな悲惨な映画を)と思うと、いろいろ考えざるをえないものがあったのであった。