8.16
『菊とギロチン』
最近あまり長尺の映画を見る機会がなかったもんで189分という時間にちょっとビビってたんですが、見てみたら思いの外あっというまだった瀬々敬久監督『菊とギロチン』、面白かったです。
大正時代に実在したアナーキスト・グループ「ギロチン社」と、これまたかつては実在したという女相撲の一座が激突するフィクション。めちゃくちゃな若者たちのめちゃくちゃなエネルギーをしかと受け止めた、どすこい。が、その勢いで映画自体もめちゃくちゃになるという展開にはならないところが、Z監督っぽいなあと。こんなに「女相撲」を扱いながらも決して女性映画にはしない慎ましさもはちろん監督の素敵なところ(「ふむふむ、『カリフォルニア・ドールズ』的な?あれ、やっぱり違うのか?」と思いながら見てたけど、最後に泥んこ相撲が見れたので良し)。相澤虎之助の力も良い影響が大きいように思ったが、女性の脚本家を入れたらもっと混乱してもっとおかしな映画になったような気もする。韓英恵ちゃんのあのシーンにはさすがに涙したけど。
最近遭遇率の高い東出くんのしかし、こんな濡れ場は初めてだったので、密かに結構ショック。その存在を知った時から勝手に気にかけていた寛一郎、役柄にはだいぶイライラしたけど、頑張っていて勝手に安心した。