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9.30

『1987、ある闘いの真実』

自分が8歳のとき、日本では「志村けんのだいじょうぶだぁ」が始まった年、祖国でこんな事が起こっていたとは知りませんでしたごめんなさいチャン・ジュナン監督『1987、ある闘いの真実』
1987年、五輪直前を言い訳にやりたい放題にアカ狩りする政府、どっかで聞いたことある話ですね、そんな中起こった大学生の取り調べ中の死亡事故、その真実(拷問による死)を暴こうとするジャーナリズムと国家権力の闘い。実話を基にしたお話で、パク政権の下かなり秘密裏に製作されたそうな。
80年の光州事件を描いた『タクシー運転手』とはまた違って、最初から最後までテンションMAXで暴れる男たちが、ただただ圧倒的。脱北してきた成り上り愛国者、正義感に満ちたアル中検事、デモに巻き込まれ恋に落ちる女学生…、どこまでがフィクションなのかわからないけど、もの凄い熱量の芝居と、リアルな拷問や暴力描写に韓国の公安マジ怖えなと震えあがりました(日本もあんなものなのかも知れんけど)。ハイエース誘拐はここから始まったのか?
終盤のデモ学生のエピソードからのあの終わり方はさすがにドラマチックが過ぎるかな〜と思ったところにクレジットでのまさかの当時の写真とあの青年の末路を初めて知って、本当に言葉を失った。そしてこういうことを自分たちで映画化できる韓国映画を改めて尊敬致しました。
そして、韓国の俳優さんたちのカッコいいとか渋いとかだけじゃないおじさんバリエーションの豊富さよ。特に本部長役のおっさんヤバ過ぎ(キム・テリちゃん可愛い)。見てみて。