『クレイジー・リッチ!』
世界的にヒットしたという原作小説のことは全然知らなかったんですが、ジョン・M・チュウ監督『クレイジー・リッチ!』が、笑ったり泣いたりの大忙しでめちゃんこ面白かったので、みんな絶対見て。
NY生まれNY育ちの中国人レイチェル(大学教授の才女)、優しくて爽やかな恋人ニックの里帰りに誘われ、緊張しながら彼の故郷シンガポールを訪れるも、そこで待っていたのは、彼の実家が世界的にも有数な資産家一族であるという事実と、めっちゃ怖い姑と周囲の女たちの猛烈な嫉妬と嫌がらせ、果たして彼女は幸せになれるのか!?と、一見ありきたりなシンデレラストーリーですが。
ハリウッド映画ながら出演者はほぼアジア人なこの映画は、時々モロにSATCを彷彿とさせるようなアメリカのラブコメ映画を完璧に踏襲しながら、でも絶対にアジア人にしか、特に女性にしか描けない世界を映画にしていて、素晴らしい。見ながら、「ああ本当に新しい映画を見てるんや私!」と胸がいっぱいになりました。
ギャグもファッションもツボを外してないし、ミシェル・ヨー様のど迫力、みんな大好きオークワフィナ嬢(『オーシャンズ8』の彼女ね)の活躍も楽しい。そしてもちろん、クレイジーなリッチたちのお戯れも見てるだけでワクワクする。で、終盤にかけては涙なしには見れない感動物語となっております。最強で最高。
個人的には、どのキャラクターにも微妙に感情移入してしまって、クレイジーな家族を邪険にできないあいつ、母とふたりで頑張ってきた移民のあの子、寂しさを紛らわすためショッピングを止められない彼女…などなど…。ファーストもエコノミーも必要な気持ち、わかるよ…。
原題は『クレイジー・リッチ!アジアンズ』らしく、まさにアジアンパワー全開の作品だけど、もはや日本の影はどこにもなく(ちらっと映るくまモンくらい?)、映画のレベルひとつとってもそりゃそうだよなと完璧に納得。
鑑賞時の唯一のミスとしては、劇場近くの美味しい餃子屋さんをチェックしておかなかったこと。とにかくアジア料理が食べたくなる映画でもあります。必見。