10.25
『アンダー・ザ・シルバーレイク』
真面目なあたしは今作の予習として前日の夜にAmazonプライムで『イット・フォローズ』を見てみたら今世紀最大級に怖いホラー映画で思わず「『アメリカン・スリープオーバー』と全然ちゃうやん!」と叫んでしまったのでした。
なので新作の傾向と対策がまったく立てられないまま、デヴィット・ロバート・ミッチェル監督『アンダー・ザ・シルバーレイク』に挑んだら、そんなこちらの困惑をぶっ飛ばしてくれるくらい無茶苦茶な映画で、満足したのでした。
一応ロスはシルバーレイク地区を舞台に、主人公の青年が突然姿を消した近所の美女を探すうちに色んな謎や陰謀や空想や妄想に巻き込まれるようなミステリーなような、そんな筋書きがあるものの、細かく散りばめられた幾つものキーワードやアイテムやぶっとんだ登場人物の、はっきりとした答えなんか多分何もなく、140分かけて本当に空っぽなものを見た、空虚な爽快感(似てると言われてるPTAの『インヒアレント・ヴァイス』の隠しきれないインテリ感じより全然こっち派)。ピアノのおっさん、おもろ過ぎた。
てなことを思っていたら、後日の中原昌也×高橋ヨシキ氏トークショーでも同じようなことを言っていて(解釈から解放してくれる映画、改めて映画の楽しみを教えてくれる裏がない正直な映画、など)楽しかった。