12.02
『A GHOST STORY』
大変美しくて素敵な映画だったデヴィッド・ロウリー監督『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』、オバケのQ太郎も21世紀になればソフィスティケイトされるもんやなと感心しました。白い布の着替えとか、あるのかな。
愛する妻Mを残して不慮の事故で死んだ夫CはゴーストとしてMと過ごした家に現れ、彼女を見守り続ける。彼女がその家を去った後も地縛霊(ですよね)として時空を超え彷徨い続ける歴史ファンタジー…。
セリフらしいセリフもなく、ただ見るだけ見られるだけで展開する不思議感覚ながら、だんだんと布を被っただけのゴーストくんの表情(?)が切なくなってくる。お隣さんの花柄ゴーストとの会話(??)もだいぶキュンとした。存在するようでしないようでするような、儚げじゃなくて儚い。
実際、お化けになってまで嫉妬深かったりイライラしたからってモノ投げられたり(あの移民一家、災難よね)されたらだいぶウザいけど、そういう人間らしさ(???)のおかげで「永遠とは……」とスピる直前に寸止めができた。しかしあのラストシーンの最後の瞬間には思わず涙が出た。
スタンダード画面フェチの私にはそれも嬉しかったのだが、角が丸いのは初めて見た気がする。