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1.20

『来る』

なんの期待もせずに見に行った中島哲也監督『来る』ですが、これまでの監督作(全部見てるわけじゃないけど…)の中では一番好きでした。映画ドラマで見かけるたび異様にイライラする妻夫木聡の最高傑作じゃないでしょうか。この悪意ある(むしろ悪意しかない)俳優の使い方、嫌いじゃない。
だから、岡田准一が登場するまでの法事からの結婚式からの日常がめちゃくちゃ面白くて「これやべーな!」とひとりで内心だいぶテンション上がったんですが、アレが来るとか来ないとか子どもがどうのこうのの話になるとマジどうでもよくなって残念だった。てか、こんなテキトーなノリと映像で神さんとかシャーマンとか登場させちゃって、この映画自体が呪われんじゃないかとちょっと心配になった。
今までの中島監督作品の印象としてまずあった退屈恐怖的なガチャガチャした感じもだいぶ落ち着き、露悪的な人間の描き方みたいなのもだいぶ的が絞られて逆に面白くなってきた印象。相変わらず超不愉快なんだけど、それを笑えるか笑えないか。
見ながら「こいつマジ死ねよ」と思うしかない登場人物が全員きっちり殺されていくのは爽快だったが、この妻夫木が呪われるなら日本人男性の9割は即死なんじゃないの…と思ったり。
ちょっとずっこけるような終わり方に「劇団ハイバイみたいやな」と思ったら脚本に岩井秀人の名があってすっごい納得した。
しっかし岡田くんはよくこんな良いところゼロのどーでもいい役引き受けたよね。