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2.12

『バハールの涙』

『パターソン』ではあんなにキュートは若奥様だったのに、エヴァ・ウッソン監督『バハールの涙』では女戦士としてIS相手に戦っていたゴルシフテ・ファラハニ、女優って凄いですね。
パリに留学経験をもつヤズディ教徒の弁護士バハールは、ある日故郷の町でISの襲撃を受け、家族は殺され息子はさらわれ自分もヤツらの性奴隷にされてしまう。なんとか逃げ出した彼女は息子を取り戻すため女性部隊のリーダーとなり銃を持って戦うことを選ぶ。同じく幼い娘を持った眼帯をつけた戦場記者マチルドと共に最前線に向かう。
戦場で若い女の子たちの指揮をとって戦い続ける彼女の過去がだんだんとわかってくる緊迫感、彼女たちの受けた屈辱がじわじわ辛い。今まで見た映画の中で一番しんどい出産シーンかも。「そりゃ確かにこんな思いさせられたら敵は皆殺し一択やわな! 」と思ってしまったけど、多分これは事実に忠実な世界で、なんかもうこれからは今までみたいな男による男のための戦争映画(イメージやけど『ブラックホーク・ダウン』的な)って楽しんで見れないな…と。女たちの太陽の歌が泣けるのよ。
見ながらびっくりしたけど、戦場ジャーナリストってあんなにモロ戦場までカメラ持ってついていくもんなんですね。国籍も職業も宗教も違う女たちが生き抜くために銃やカメラを構える姿が痺れるかっこよさでございました。眼帯はさすがにやりすぎやろと思ったら実在のモデルがいてめっちゃそのまんまの姿で、恐れ入りました…。