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2.16

『バーニング 劇場版』

ハルキストではないってかむしろ苦手なので原作小説は未読だけど、イ・チャンドン監督『バーニング劇場版』を見てみた。ドラマ版も未見。しかしいくら読んでないとはいえこの泥臭い世界、冴えない田舎モンの主人公はあまりにもハルキのイメージと違うので、だいぶオリジナルなんだろうなとは感じた。でも男が洒落た音楽を聴きながらパスタを作ってたので、やっぱりハルキなのかも。
韓国の最下層のような主人公の青年ジョンスの前に現れた、久しぶりに会った幼馴染の女ヘミ、やたらセレブな謎の男ベン。ミステリアスな駆け引きが続く中、突然姿を消したヘミを巡ってジョンスは…、というミステリアスな内容が、美しい映像と思わせぶりな描写で描かれるのはまあいいのだが、いかんせん長い。このダルダルした長さが現代の若者たちの何かを表現してるのかもしれないけど、それにしては格差の表現がわかりやす過ぎて(軽トラとポルシェとかさ)あんまり148分の有り難みがないと言うか。ほんとーーに冴えない主人公の顔に、こういう役者を主役に映画を作れる韓国はやっぱりすごいなと感心したけれど。
ってか、主人公がやたらオナニーするのとか、ヘミが複雑な女なのかただのヤリマンなのか微妙なところとかは「やれやれ」って感じでしょうか。そういうウンザリ要素に最初から最後まで乗れず、イ・チャンドン作品の中では最も「なんだかなあ…」と感じたのでした。
って、『ペパーミント・キャンディー』が光州事件についての映画だと最近まで気づかなかった私が何か意見できるとも思ってませんが……。