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2.23

『盆唄』

第二の故郷ハワイが舞台っぽい、くらいの情報しか持たず中江裕司監督『盆唄』を見に行ってみたら、これがなかなか良いドキュメンタリー映画だったのでした。
震災から4年経っても避難所暮らしを続ける双葉町の人々、そこで先祖代々続いていた「盆唄」が、今もハワイでは日系人たちによってフクシマオンドとして熱狂的に歌い踊られていると知った双葉町の歌い手たちはとりあえずハワイはマウイ島へ行ってみる。というドキュメンタリーであると同時に、戦争や地震に巻き込まれ、故郷を離れて生きる福島やハワイや富山の人たちの物語。
もちろんハワイのフクシマオンドもすごい勢いで楽しかったけど、すでに寂れてしまったサトウキビ畑で涙する日系人のおばさん、帰還困難区域の自宅で歌の練習をする福島のおばさん、それでもそこにも過去も現在も唄われ続ける盆唄の、盆踊りのスケールというか底力というか、今更ながらすごい伝統やなと衝撃を受け、今までその存在も知らなかったくせに、ラスト20分にはまんまと涙したのでした。良い映画でした。
途中で挟まれるアニメーションも可愛いし、キャラの強めな福島の人たちも素敵なんだけど、やっぱり主人公である電気屋さん且つギターマニアで太鼓も作る何気にめっちゃロックな横山さん(Z監督似)と、幼馴染でご近所さんの今泉さんのやりとりが、萌え狙い?!ってくらいの仲良しっぷりで、胸キュンします。色々辛くてしんどいことも一緒に経験してのこの関係、憧れる。