『グリーンブック』
祝アカデミー賞!じゃなくても絶対見ますけど、ピーター・ファレリー監督『グリーンブック』。「グリーンブック」とは1936年から66年まで出版されていた黒人旅行者を対象としたガイドブックのことだそうな。
1962年のNY、イタリア系移民のトニーと黒人天才ピアニストのシャーリーの、何もかもが正反対コンビのロードムービー。笑いあり涙ありケンタッキーありピザの一枚食いあり。
もう、冒頭のイタリア系一族が食卓を囲む場面で、「ファレリーもこんなシーンが撮れるようになったのね…!」と軽く涙ぐむアラフォー。ちょっとファレリー愛が強過ぎてあんまり冷静に見れてないかもだけど、映画全体も、決して単純なVS黒人差別な話ではなく、まさにトニーのセリフのとおり「人間は複雑だ」ってことを、一見ゆるふわに、しかし決してぶれることなく、最終的にはみんながちょっと幸せになるという、ええ映画としか言いようのない作品だと思われます。上映前に「映画泥棒」に合わせてふざけて踊ってた若い男子4人組が終映後には拍手してて、そんなん泣くしかないやんっていう。
なんか一部では文句が出てるみたいやけど、でも、ファレリーはなにも黒人問題だけを特別に問題視してるわけでなく、今まで散々障害者とか社会不適応なほどのバカとか太ってるだけで人間扱いされない女性とかを感動的なほどにおもしろい映画にしてきたわけで、個人的には今回のスパイク・リー的批判には全然頷けないだわさ。そして、過去の飲み会全裸事件は許してやってほしい。私からも謝るから。
ヴィゴ・モーテンセンの巨体を目撃したときには「あのアラゴルン様がなんてことに…」とショックだったけど(この役のために20キロ太ったらしい)、後半前髪が乱れた表情の色っぽさは相変わらずめっっちゃかっこよし。シャワー室のシーンではまさかまた全裸で!?とみんな思うよね。マハーシャラ・アリの神々しさも良かった。
これはこれで最の高やけど、ボビーが不幸な事故から復活して、またふたりでも監督して欲しい!