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3.13

『ビール・ストリートの恋人たち』

ぼけーっとしてる間に上映が終わりそうだったので急いで、バリー・ジェンキンス監督『ビール・ストリートの恋人たち』
監督の前作『ムーンライト』もそうでしたけど、この人の作る映画を見ると、セックスって愛し合うふたりの愛を確かめ合う美しい行為(その結晶としての子ども)ってことを一億光年ぶりに思い出して、泣けますね…。相変わらずエモかった。ボールドウィンの原作は未読。でもこれから読みたい
70年代のアメリカ、幼馴染で惹かれ合う若い男女。幸せになるしかないはずのふたりの未来にじわじわと確実に影を落とす人種差別。そのことを、スパイク・リー的な怒り爆発系でなく、ファレリー的笑いあり涙ありに紛れ込ませる系でもなく、詩的に美しい映像(皮肉ではなく本当に)と音楽に現実の哀しみを滲ませる品の良さ。最近ガチャガチャしたハリウッド映画が続いたからかこういうのが身に沁みる。もちろん綺麗なだけじゃなく重い現実もきちんと重い。黒人差別反対。
カラフルだけどシンプルなファッションもめちゃくちゃツボで、キキ・テイン演じるティッシュちゃんの可愛さよ。こんな女の子が不幸せになるのは絶対おかしい、という説得力があります。