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3.28

『21世紀の女の子』

初めて行ったけど綺麗でオシャレで見やすくっていい映画館ですねアップリンク吉祥寺さん、そこで『21世紀の女の子』を見られて良かったです。
山戸結希監督が企画・プロデュースする、新進映画監督15名(全員女性)が「自分自身のセクシャリティあるいはジェンダーがゆらいだ瞬間が映っていること」というテーマのもとそれぞれ作品を撮った短編集。ただ若い女の子に映画を撮らせる的なぼんやりした企画じゃなく「君たちの伝えたいことはしかと受け止めた!」って言いたくなる、熱い作品たちでした。出演者もほぼ全員女性、男性がこれを見てなにを思ったか聞いてみれば、そいつがマンスプレイニング野郎かどうかわかりやすくていいんじゃないかな。
15本あるもんやからそれぞれに対する感想ももちろん色々あるけど、とりあえずの印象はみなさん撮影とか編集とか、映画作るのがほんとに上手でびっくり。それだけでもだいぶ心強い。
安川有果監督『ミューズ』にはケイト・ザンブレノ著「ヒロインズ」を思い出させる苦さや、竹内里紗監督『Mirror』にはさすが万田邦敏監督の教え子と感心する世界や、山中瑶子監督『回転てん子とどりーむ母ちゃん』にはタランティーノばりの空っぽなゴージャス感があったりしながら(いっぱい端折ってごめん)、共通点として複数のヒロインが一眼レフのカメラをもっていることについてなど。そういう意味でやっぱり山戸結希監督『はなれ離れの花々へ』が〆の総意としてわかりやすかったか。
そしてこれは山戸監督のプロデュース力の賜物なのか、「装苑」を味方につけたり、写真集のように美しいパンフレットを作ったり、これは20世紀のおっさんにはできねーことだわなと感心した。
20世紀の妙齢の女性としては、この映画に携わったみんなが10年後にアルテイシアさんの本を読んで幸せになってほしいな、と本気で願いました。