BLOG

4.12

『沈没家族』

なんとなく気になってた加納土監督『沈没家族』を見た。監督自身が武蔵大学の卒業制作作品として制作した、自身の生い立ちに関するドキュメンタリー映画だそうな。
1995年の東京、監督のお母さん加納穂子さん当時23歳はシングルマザーとして土くん(監督)を出産し、共に子育てをしてくれる保育人を募集、「共同保育」という試みを始め、当番制で子どもの面倒をみる「沈没家族」を作る。当時はテレビや雑誌にも取り上げられたこの「家族」の、当時の保育人や監督と一緒に育った同年代の子どもへのインタビュー、監督のお母さんとお父さん、そして監督自身の今の気持ち。
虐待、少子化、何かと「家族」と「子育て」に関する暗いニュースばっっっかりの2019年の日本で、とりあえずみんなが見ればいい映画だと思います。子育て中の方は特に。
卒業制作ということで映画としては雑な部分がもちろんあるし、社会学的にもこれでオッケーと言えるそんな単純な問題ではないと思うけど、とにかく作中に出てくる監督が(ちょっと不安になるくらいの)めちゃくちゃ良い若者に育ってるっぽいし、お母さんの穂子さんの現在もすげえパワフルで楽しそうだし、沈没家族は悪いことではなさそうやなと。
幼少時代を一緒に過ごしたはずの保育人に再会するのにお互いなんか緊張するのとか、お父さんの実は複雑だった当時の心境とか、あえて誰も何も突っ込まないお母さんの過去とか、興味深く見たし、自分の「家族」についてぼんやり考え出したり。
しかし、へー日本にもこんな人たちがいたんだーすごい時代だったんだなーとか思いかけたけど、お母さんの穂子さんと自分が5歳くらいしか違わないと気づいたときの衝撃ね。