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4.23

『魂のゆくえ』

どういうテイストの映画か全然知らないまま、ポール・シュレイダー監督『魂のゆくえ』を見にいって、前半、ひたすら地味に静かな芝居と抑えた静謐な演出に「これは…寝るやつ…!」とかなり危機感を覚えたけれど、中盤のあるシーンから一気に覚醒させられる(相変わらず静かなんだけど)、なかなか凄い映画であった。
アメリカの田舎町にある小さな教会の真面目な神父トラー(イーサン・ホーク)が、ご近所の妊婦から夫の相談を受けたことをきっかけに、彼の魂はどこへゆくのか(原題は全然違ったけど…)。
キリスト教の救済とか赦しとか罪とか罰とかもちろん全然わからないんだけど、金持ちや権力者の語る現実なんてとりあえず全部FUCKなんだなってことは、わかった。そしてこの夫とトラーは途中からほとんど同じようなことを話し出してほとんど同一人物みたいになるものの、最後にああなったのは愛の力か宗教の力か、どちらにしても、感動した。
しかしあのめちゃくちゃシリアスな流れからの有刺鉄線には笑うなって方が無理があるよね…。