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4.30

『幸福なラザロ』

見たのが一週間くらい前なので既に記憶が曖昧になりつつあるんですが「結構フツーやったな…」と思ったことは覚えてる、アリーチェ・ロルヴァケル監督『幸福なラザロ』。世間ではかなり評判の良い作品らしいですが。監督は81年生まれの女性なんですね。
20世紀後半のイタリア、伯爵夫人に支配された小さな村の小作人とラザロはある狂言誘拐をきっかけに住み慣れた村を離れることになるのだが…。
小作人を搾取する伯爵夫人、ラザロを搾取する小作人、何も誰も搾取しないラザロ。超ピュアな瞳ですべてを受け入れ、何も求めず、死さえも超越するような存在……が、なんとなく、キリスト教的ななにかをメタファーしてるんだろうとはなんとなくわかるんだけど、それにしてはこんなにわかりやすくていいのか…?と思ってしまった。実はめちゃくちゃ複雑なことを私がわかってないだけ説もすごいけど。
ラザロが人間ではない存在なわりには体つきとかやたら現実的にぽっちゃりしてたり、伯爵夫人(とその息子)の造形があまりにステレオタイプだったり、これで大丈夫なの?!と勝手に不安に。
舞台が現代のイタリアになってからは、イタリアの労働者やホームレスたちってこんな風になってるんだ(手配師とのやりとりとか)と勉強になった。ウルフドッグが頑張っていて可愛かった。