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6.06

『さよならくちびる』

個人的に今日本で一番好きな女の子は小松菜奈クンなんですよ、なので塩田明彦監督『さよならくちびる』を見たんですが、もうほんとに、「おっちゃん無理するなよ…」と逆に優しい言葉をかけたくなった。辛い。おっさんの想像による少女性の搾取反対。
このご時世若い女の子がやたらとタバコを吸うという設定は悪くないと思うけど、そのタバコを吸う姿とか缶ビールを飲むタイミングとかの細かいディテールがわざとらし過ぎて見てられないし、作り手の考える「若くてちょっとワルだけど実は繊細な女の子」のイメージが、劇中何度も「正気か?!」と問うたほどに、ダサい。最後のライブシーンとかファンの子たちの様子なども含め、この驚異的なダサさ、マジで誰も注意する人いなかったのかな。リンゴ丸かじりとか、ないでしょ。せめてバナナでしょ。『スケート・キッチン』100回くらい見てほしい。
もちろん、きめ細かな演出、丁寧な撮影、ロードムービーとしての風景、風にそよぐ樹々などが非常に良く出来ていることはわかったのだが、それもぶっ飛ぶくらい一番びっくりムカついたのは、コインランドリーの前で門脇麦が少女に話しかけるシーン。仮にも同性愛者設定の人間があんな不躾に無神経な言葉を他人にかけるなんて、有り得なくないですか。それでいて「あいつは家族にも言えず苦労してきたんだよ…」って、正気か?!ペラペラ過ぎてやばくないか?!と心配になる老婆心。
ほんで結局のこのラストには「この2時間なんだったんだ…」とつぶやかずにはいられず。なんだかなあ。