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7.13

『ワイルドライフ』

若手人気俳優がメガホンを取ってかわい子ちゃん女優のガールフレンドが脚本に協力したチャラい映画でしょとナメてかかったポール・ダノ監督『ワイルドライフ』がめっちゃちゃんとした映画でビビったのでした。
1960年代のアメリカ、決して裕福ではないけれど仲の良い両親と真面目な息子の平和な家庭は、父の失業をきっかけにガタガタと綻んでゆく。その様子を14歳の少年の眼差しを通して繊細に描いていく。
決して美しくもないモンタナの自然の風景と、ただ燃え続ける山火事、それを見つめるしかない人間たち、それらと監督の距離感がとっても上品。初監督とは思えぬ落ち着きっぷりに感動。
そしてこの主人公の表情がなんとも絶妙で、静かに振舞ってるけど14歳でこれはしんどいよねえと同情しつつも、私自身がアラフォーになったからわかることなのかこの母親のストレスも父親のプライドもびんびん理解できて、なかなかのしんどさであった。彼には無事大人の階段登ってほしい。
これまであんまり好きじゃなかったキャリー・マリガン、いい感じに老けてて良かった。ジェイク・ギレンホールは相変わらず実写版ウッディにしか見えなかった。