10.01
『エイス・グレード』
あのアルフォンソ・キュアロンが泣いた映画!?と気になって、ボー・バーナム監督『エイス・グレード 世界で一番クールな私へ』を見てみたら、めっちゃいい青春映画で、初めてキュアロンにちょっと感謝したのでした。
日本でいう中学三年生のケイラは、みんな(日本のおっさん)大好き怒れるビッチでも、達観してる系オタクこじらせ女子でもない、ほんとーに地味で目立たない普通の女の子。YouTubeで自分の動画を上げることが日課だけど閲覧数はゼロの日々、理想の自分と現実の自分の間でもがく少女がちょっとしたきかけでちょっとずつ変わっていく姿に素直に感動。こんなにニキビ面の女の子が映える映画も珍しいでしょう。
ケイラの学校や友だちの前での振る舞いが、痛々しいどころの騒ぎじゃない、ほんとにスリーンを直視できないレベルで「もうやめて!」と叫びたくなるような不器用さなんだけど(避難訓練のシーンとか、小っ恥ずかし過ぎて死ぬかと思った)、それが露悪的でも冷笑的でもない、だからと言って監督(男性)が理解者ぶってるわけでもない、見事な距離感。特に気の利いたことを言うわけでもないけどめっちゃええ奴な父親との関係も絶妙に良かった。
90年生まれの監督は自身が人気YouTuberだそうで、そんな男の子がこんな映画を撮るなんて(さすがのアパトー一派)、やっぱアメリカ人はすげーなとしみじみ思ふ。