無駄に気取った日比谷のシネコンでこういう映画を見るのは気持ちいいですね、アレクサンドル・アジャ監督『クロール-凶暴領域-』。
台風直撃の最中古びた一軒家に取り残された父娘、そこに近所のワニ園から流されてきた巨大ワニたちとの絶体絶命な超ド級のワニワニパニック。この台風水害列島に住む限り、マジで今後何があってもワニ園の近くに住むのはやめようと思えました。ってかワニでかくね？
まさかのワニ登場にはきちんとぎゃ！とびっくりさせてくれ、その後もドキドキハラハラ。そんなアホは絶対食われるって…ってヤツも、こいつはええヤツやから助けてあげて…と思ったヤツもみんなまとめてちゃんと喰われてくれる、それでいて壮絶なバトルの中しれっと生き延びるワンちゃんって、素晴らしくないですか（でも意外とワニにガブっといかれても無事なもんなんですね）。
パニック映画のふりをして中途半端に親子愛を語るわけでなく、妙な色気を出してかっこいい演出をするわけでなく、バカバカしさに笑いながらも、何気に久しぶりに満足のいくB級映画だった、かも。