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2.02

『リチャード・ジュエル』

96年のアトランタ爆破事件のことはほとんど知らなかったけど、クリント・イーストウッド監督『リチャード・ジュエル』を天王寺で見に行ったらガラガラで、そりゃそうか。
アトランタオリンピックで浮かれるライブ会場で真面目な警備員リチャードが不審なリュックを発見、爆破テロ事件を未然に防ぎ一瞬でヒーローになった彼は地元紙のいい加減な報道で一転事件の容疑者扱いされ散々な目に…、と聞くと、不当な目に遭う不憫な主人公のようだが、映画の中のリチャード・ジュエルが本気でウザい、見ててイライラしかしないうだつの上がらないマザコンネトウヨみたいな人物として描かれていて、まじラスト10分以外は、私がサム・ロックウェル演じる弁護士なら「もうこいつ犯人でええか…」となってしまいそうな勢いだった。しかしもちろん疑わしきは罰せず、どんな人間でもこんな扱いを受けてはいけないという当たり前の正義は理解した、つもり。
見る前は「131分か、長いな」と思ったけど、とにかく無駄なくシンプルにサクサク進んでくれる面白さにゾクゾクした、けれど、問題になってる女性記者の扱いは、こういうテーマの映画でああいうことするの、結構タチ悪いなあと。いかにも気の強そうな女がヒョウ柄の服を着て、悪意ある印象操作。まあそれを考えたらそもそも劇中のリチャード・ジュエル自体も全然聖人でもいい人でもなく、本人が見たら怒るようなキャラクターになってるから、特に女を貶めたってわけでもないんやろうけど。うーむ。