7.14
『マルモイ』
あの『タクシー運転手』脚本家の監督デビュー作、なわりに全然宣伝もされてないし話題にもなってないし不思議やなと思いながら、オム・ユナ監督『マルモイことばあつめ』を見てみたら、確かにこれは「日本人は一度死ぬしかないのでは…?」と思わざるを得ない内容で、現在のわーくにでヒットするのはなかなか難しいか(案の定twitterで感想を検索するとネトウヨが発狂してた)。マジで大日本帝国酷過ぎて過ぎてワロタ。いや笑えないけど。
1940年代日本統治下で朝鮮語の使用と教育が禁止される京城(ソウル)を舞台に、日本の監視をくぐり抜け朝鮮語辞典を作るためにひどい弾圧と戦いながらことばあつめ=マルモイをした人たちの、史実を基にしたフィクション。
「愛国心」とか「民族」とは無縁に生きてきたシングルファーザーがちょっとしたきかっけで覚醒し仲間のために国のために命がけで危険の中に飛び込んでいくというストーリーは『タクシー運転手』とほぼ同じなんだけれど、それってやっぱり泣ける。娘役の子どもがまためちゃくちゃ可愛い。
文字の読めないチンピラまがいな主人公が、読み書きを教わり、その喜びを全身で表現するシーンは、個人的に日本語の読めない祖母(在日一世)が60歳を過ぎてからひらがなを勉強してた姿なんかを思い出して号泣(パンフレットに載ってる配給の方の真摯な文章も泣けます)。
そしてこんなシリアスな題材なのにコメディーだったりアクションだったりでも気持ち悪い百田系映画みたいなマッチョな感じは皆無(監督は女性)な韓国映画、これはさすがに凄いのではと改めて思った。