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7.19

『一度も撃ってません』

ジジイしか出てない、くらいの前情報で阪本順治監督『一度も撃ってません』を近所に見に行ったら、たいそう面白くて大満足でございました。めっちゃ豪華キャストやけれど、確かにこれといってイマドキの若者は出てないけれど、なにひとつ問題なし。
昼間は妻の言うことを聞いて真面目に家事をこなす売れない作家(石橋蓮司)が、夜になるとハードボイルド気取りでヒットマンの顔になる。その絶妙な男のダンディしぐさがいちいち面白くて(「夜は酒が連れてくる…」ってセリフとか、爆笑した)、劇中でも若手編集者に笑われてるんだけど、映画自体は決してそういう主人公をバカにしたパロディってわけではなくて、でもグサッと「もう色々終わったんだな」と感じずにはいられなくて、相変わらず大楠道代は可愛過ぎて、なんとも不思議な感覚。ラストシーンにはホロっと泣き笑いしてしまいそうな、充実した大人の映画でございました。日本のおっさん皆殺し計画も、今回は一旦中止。
個人的にはまだネタが分かる前の、岸部一徳が女バーテンに話しかけるシーンと、石橋蓮司の使ってるMac(ってところが、いい)のスクリーンセーバーがめっちゃツボった。
と、高齢者ギャグにゲラゲラ笑う立派な中年初心者もここではまだまだ若手ね、と余裕こいてたが、客席には親に連れられた小学生男子がいたのだった。彼の感想が聞きたい。