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9.15

『青くて痛くて脆い』

ニッポンの宝こと吉沢亮は大切にしなきゃいけないので、狩山俊輔監督『青くて痛くて脆い』を見たんですけど、タイトルから勝手に難病系感動モノかなと想像してたのが全然違った、これがなんとも不思議な映画で、まんまと嵌められた。面白かったです。杉咲花の、完璧にこちらをイラつかせる存在感にも大いに騙されたな。
前半は、大学一年生の麗しき男女がサークル創設をきっかけに、孤独だったふたりの距離に変化が起こるような起こらないような話が続き、正直マジ興味もてねーな118分無理ぽと思ってたんだけど、中盤でのまさかのどんでん返しに「これは想像してなかった!」と素直に衝撃を受け、そこからは闇落ちしまくる亮の姿がだいぶ面白く。現代日本人男性の最低な部分を煮詰めたようなキャラクターってことでは『来る』の妻夫木ベストアクトに匹敵するんじゃないかしら。殿方にはまさに青くて痛いですね。
堕ちた亮の言動のひとつひとつがいちいちちゃんと気持ち悪くて笑えるんだけど、それがやたらと丁寧に撮られてるおかげか不快な感じはせず、でも脆いネトウヨがちょっと正気になったくらいで感動はさせないぞという気持ちも伝わって、よかった。
そして、吉沢亮や高良健吾みたいな冗談でしょってくらいの美形男子にはやたらと陰キャがハマる現象に何か名前をつけたい。