2.27
『天国にちがいない』
東京のミニシアターがやってることを一手に引き受けてくれてありがとうシネリーブル梅田さん駅から遠すぎるなんて文句は言わないよと、エリア・スレイマン監督10年ぶりの新作『天国にちがいない』を見に行ってみた。前作『D.I.』は旧ユーロスペースで見たのかな。
ゴダールと安井豊作と松尾スズキをミックスしたような風貌の主人公(監督本人)、彼が故郷パレスチナはナザレを出て、パリ、ニューヨークと旅する。一言も喋らず(いや二言は喋る)にただ移動する彼の前に次から次へと起こる出来事は夢のような現実なのか現実のような夢なのか…。終始真面目な顔してるのに終始ふざけてるような。大変面白かった。計算され尽くした構図の映画に弱い。
もちろんパレスチナの歴史とか現状とか人並みにわかってないんだけど、それでもこの映画自体が世界の現実に対する強烈なメッセージとなってるんだろうな…ってことは伝わってきて、でもその伝え方が最高に大人でクールで、でも熱くて、ラストカットがクラブで楽しそうに踊る若者たちってのがめちゃんこかっこよかった。パレスチナのレモンは美味しそうだった。