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6.24

『逃げた女』

また同じ話なんだろうなーと想像しながら映画館に行くことが失礼なのかどうなのかもはやこの監督の場合はわからなくなってきた、ホン・サンス監督『逃げた女』がしかし、今回は違いました。失敬。
「自分で切った」というのも納得な微妙なボブヘアーのキム・ミニが、地方の越した先輩の家を訪ね、焼肉を食べたりパスタを食べたり、ついでに映画を見たり。あの先輩のルームメイトはパートナーってことなのかな?どっちにしろ、ほんの77分で女の性と生と選択がさらりと描かれ、「愛し合うもの同士は常に一緒にいなければならない」と話すらしい夫は既にその場におらず、背中どころか顔すら見えずにさすがに不憫やけど、まあ、しゃあなし。
女が数人ただ日常会話を交わすだけのシーンに漂う緊張感、不自然だけど自然、いや自然だけど不自然。キム・ミニの顔みたいに不思議なバランスの映画。
関係ないけど、この作品の中でも描かれていた韓国の女あるある、やたらリンゴを剥く。剥きたいがばかりにウチの祖母は空港で捕まりかけてました。それくらいリンゴか梨を剥く。