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7.15

『BILLIE』

日曜の午後の角川シネマさんが初老の男性でぱんっぱん、ここは旧フィルムセンターか!とビビるもよく見えるとこちらのおじさんたちはみんな、なんて言うか、垢抜けていて小洒落ていて、肩から謎に重そうなショルダーバック(黒色)も下げていない。これが映画オタと音楽オタの違いか…と軽くショックを受けながら、ジェームズ・エルスキン監督『BILLIE ビリー』を見た。たいそう面白かった。
20世紀最高のジャズシンガーと言われるビリー・ホリデイ、彼女にのめり込み伝記を書き上げようと尽力するもその途中で謎の死を遂げた若きジャーナリストのリンダ。映画はリンダが残したビリーの関係者、元彼たちのインタビューテープを主に、ビリー・ホリデーの人生を映す。
もうその人生が波乱万丈なんてもんじゃ済まないくらいぶっ飛んでいていて、辛い、苦しい、にがい、重い、見てるだけでほんとにしんどい。からのビリーの歌声が響くこと響くことこと。ジャズを歌った時のお嬢(ひばり)の声を思い出したりしながらの、「奇妙な果実」が凄まじかった。
黒人であること女性であることその他さまざま要素がビリーの人生をこんな悲しいものに…とか思っていたら精神科医がいきなり「彼女はサイコパスだ」とか言い出して「え、そういうこと!?」とちょっとびっくりしたけど、それでもちょっと感じ入るものが多過ぎて、98分とは思えぬ疲労感でございました。でもほんまに見れてよかった。