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7.23

『アジアの天使』

日本の人気監督が最近何かと話題の韓国で映画を撮ってみたというので気になって、石井裕也監督『アジアの天使』を。監督キャスト含め95%以上のスタッフが韓国チームで作られたそうな。
見ながらまず思ったことは、「よくこんなぼんやりした脚本が書けたなあ」という変な感心。池松壮亮とオダギリジョーのおとぼけ兄弟っぷりや韓国側の俳優さんはみんな良くて、それを見てるのは、決してつまらないってわけじゃないんだけど、さすがに全体的にぼんやりし過ぎの印象。いわゆるロードムービーに天使というモチーフから、まあ普通にヴェンダースを想像したけど特にそういうわけでもなかった。
終盤の息子の逃亡(感情爆発)、異国の地で子どもをあんな雑に扱ってたらそりゃ逃げるに決まってるやろ、となんの意外性もないのであんまり感心しない。そして息子に自分の不甲斐なさを教えられ反省したその直後に好きな女に告白してるのも「なんやこいつ…」としか思えないのでやめた方がいい。そしてその国に初めて行く場合、せめて挨拶とか目的の説明くらい現地の言葉勉強していけ(これは他の映画にも言えることやけど)。と、全体的に何がしたいのかよくわからないので無駄に細かいところが目についたりした。
韓国側の俳優さんたちがみんなとても良くて、特にお兄ちゃん役のキム・ミンジェが素晴らしかったですね。しかしまさかの主演チェ・ヒソが金子文子とまったく気づけず、無念。