8.18
『イン・ザ・ハイツ』
大好きな『クレイジー・リッチ!』の監督作品ならマストでしょとジョン・M・チュウ監督『イン・ザ・ハイツ』を見たらこれもまた大好き系でハッピー。
NYに実在する移民の街「ワシントン・ハイツ」で暮らすラテン系移民たちのあれこれを歌って踊って笑って泣いてお届けしてくれるミュージカル映画。143分が全然苦じゃない。
移民たちの辛い労働の歴史、変わらない労働の現在、ラテン系移民であるというだけで夢も持てない現実、冷静に考えると酷い事実なのに映画全体は圧倒的な多幸感。これまで無視され差別されてきた人々がまさかハリウッド映画の主人公として描かれるということ自体に、「これラテン系移民の人が見たらめちゃくちゃ嬉しいやろうな」と想像しただけで泣けるし、幾つか明らかに問題点もあるけれど、それだけで十分(そこにBTSの「PTD」国際手話ダンスを想起したのは私だけじゃないはず)。
NYの大停電といえば小沢健二が「NYの人々は連帯した」というエピソードが印象的やったけど、さすがに花火で街中ブチ上がるのは想定外。やられた。
ラスト、ベニーとニーナが困難な道過ぎる将来を語るとき、画面が回転する奇跡には涙々よ(彼らに対して主人公のウスナビがまあまあウザいってのも良い)。
もちろん、街中でコンビニで美容院でクラブでプール(バスビー・バークレー味、たまらん)で展開されまくるミュージカルも最高なんだけど、最近の、っていうかラテンのノリだとミュージカルも全編ラップなのか。
ヴァネッサが激マブなのはもちろん、ソニーくんには絶対幸せになってほしいよね。しかしあのかき氷屋のおっさんが原作者だとは知らなかった。こんな作品を作った人なら出たがりでも許す。