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9.07

『ドライブ・マイ・カー』

村上春樹の原作を読んだときには「こいつらホンマにセックスについて以外に考えることないんかよ」と失笑したんですけど、濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』はさすがのおもしろさ、すっかり大人な雰囲気になっちゃってて安堵。チェーホフとか全然知識ないんでその辺は全スルーしたけど、こんなにじわじわした緊張感で179分突っ走るって凄いなと感心致しました。
西島秀俊演じる主人公とその妻の日常の描写の中、何度目かのセックスシーンで、騎乗位のまま物語をはなし出す妻を前に(上に?)目を覆ってしまう夫、その姿に心底感動した私は、西島さんの美BODY問題もそこそこに、若くて聡明な人たちが村上春樹を映画化してくれて良かった…とすっかり安心しきったのでした。
なのでまさかその後にタイトルが出て、むしろそっからが本番という事態にはだいぶ動揺したけれど、そっからの展開もまるで当然のように充実しており、満足。いっぱい「すげえ!」と思ったポイントはあるのですがいかんせん長いので本当にいっぱいでそれをつらつら書くわけにもいかないので、割愛。
岡田くんが後部座席で話すシーン、どう見ても岡田くんの顔しか映ってないのに、誰が誰の何時の何の話をしているのかわからなくなるようなスリルにゾクゾクした。
そしてやっぱり、最後の最後にあの女性ドライバーさんが西島さんに言ったセリフは、私が原作小説を読んだときから思っていた「大した意味なんかなくね?」という気持ちを代弁してくれている!と勝手に思い込み、大変スッキリ、大満足。てか三浦透子さんの声の透明感すごいね!