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12.22

「リチャード・フライシャー実録犯罪映画三部作」

ほら私ってDVDとか見ない人じゃないですか。だから実は今まで一本も見たことなかったんですよね、リチャード・フライシャー。なので、忘年会に明け暮れてる間に上映が終わってしまったけれど、その合間に新橋TCC試写室での土橋名画座で「実録犯罪映画三部作」にコソコソ通って3本とも見れた。
見たことはないと言えども、中原昌也氏や黒沢清監督が偏愛しているということは人が死にまくったりしてる映画だろうと勝手に想像、『10番街の殺人』(71年)では主人公のハゲ親父と同じくらいに冷酷な映画の空気、いくらなんでもあの旦那可哀想過ぎない!?とめっちゃ動揺したり、『絞殺魔』(68年)では色んな要素が複雑過ぎてイマイチ処理しきれなかった分割画面や主人公の「犯罪」、ラストのあの役者の演技と白い部屋はどうかしていた、ぞわぞわぞわ。
と非常に衝撃を受けたものの想像通り人が死にまくってる映画ではあったのだが、『夢去ぬ』(55年)の、前半は「ヘップバーンの映画かよ(インテリ金持ちダンディおじさまと若い女の色恋)」と思ったくらいのラブコメ感に安心していたところからの、途中から徐々に流れる不穏な空気、そしてラストの衝撃のブランコ演出に、マジで声を失うくらいにショックを受ける。これは子ども泣くで。
見た後にこれが実話だということ、この実際の本人と主人公を演じた女優さんのあれこれを聞いて更に驚きは倍増、いやあ大人は恐ろしい。あ、ここでもひとり死んでたか。
と、3本見ただけでもあまりの緩急に震え上がり、もっともっと見たくなったので、もっともっと上映してください。