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12.23

「メイズルス兄弟特集」

恥ずかしながらその名前も初めて知ったんですけど、久々下高井戸まで見に行った「メイズルス兄弟特集in下高井戸」がたいそう感動的?で、満足。
60年代アメリカドキュメンタリーの重要な兄弟監督だそうなのだが日本ではほとんど上映されずに今に至るとのこと。なんでやねん。
今回見られたのは2本、『セールスマン』(69年)、タイトル通り聖書を訪問販売するセールスマンたちの姿。見ながらまず最初にショックだったのは「聖書売るのに販売員の信心深さとか、まったく 関係ないんや…」ってことなくらいにセールスマンたちがただいかに売り上げを伸ばすかに苦悶してる姿が映っていて、ドキュメンタリーと被写体の距離が今まで見てきたドキュメンタリーとはと言うかワイズマンとは違った動揺(アメリカのドキュメンタリー映画っつったらそれくらいしか思いつかないのは許して)。そんな感情のまま続けて見た『グレイ・ガーデンズ』(75年)、これがまたすっごい変というか感動的というか、悲惨なのか幸せなのかわからない、ほぼ寝たきりの老女とその50娘のゴミ屋敷みたいな屋敷での、歌ってると思ったら喧嘩してると思ったらやっぱり喧嘩してるけど踊ってる、そんな日常。これもびっくりするくらい対象と監督の距離感が不思議体験。その関係性からか女性のあんな赤裸々な様子が映ってる、でも決して露悪的ってのではないのが凄いと感動。
圧倒されながらも、あの若い男の子、何!?とか誕生日会に来た突然の紳士、誰?!とか気になる点は幾つもあったけれど、まあとりあえずふたりと猫ちゃんたちが元気ならいいや…、あアライグマも…と寒空の中を帰ったのであった。