12.24
『マトリックス レザレクションズ』
なんとなくイブの日に見たくて、ラナ・ウォシャウスキー監督『マトリックス レザレクションズ』に行ったら、客席はガラガラなうえ若い人はほとんどいないで、「今の若い人はマトリックスに興味ないのか…」とちょっとしょんぼりするも、見終わった感想としては確かにこれは若者なんかにはわからん、立派な中年映画で、結構普通に感心した。
って、そんな私も今までの『マトリックス』シリーズに特に関心はなく、3作目なんて見てない。なのでストーリー的なものはほとんどちんぷんかんぷん、丁寧な説明ゼリフのおかげでなんとなく、18年後のキアヌは相変わらず冴えないけどゲーム屋としては成功していてでもその嘘の世界から再びマトリックスで救世主として生きることを決意しかしやたら邪魔してくる敵登場でさあ大変、みたいな話をめくるめく映像で見せてくれる、のは基本的に退屈なんだけど、でも明らかに歳をとったキアヌ、同僚にも「ハゲかかったオタク」と酷いこと言われたり、すっごい情けないジャンプ姿を披露したり、そこを隠さないのがすごいと思ったし、トリニティと再び結ばれる瞬間には一作目のふたりの映像と今の映像が並べられ、the中年のふたりのどアップが露骨に映っても構わず愛を貫き通す、その様にちょっと感動してしまった。
救世主やその辺りの描き方は監督が性別適合手術を受けて女性になったことも影響してるのかなと思ったりもしたけど、でも私は過去にもこの姉妹が監督した『クラウドアトラス』を見て「わけわかんねーなー」と思いながらもそのピュアで熱いメッセージに地味に感動したりしてて、こういうのが嫌いじゃないっぽい。