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「生誕百年記念 映画監督三隅研次」3&4
まあ大阪やし大丈夫やろと余裕かまして時間ギリギリに行ったらおっちゃんでぱんぱんだったシネヌーヴォさんでの「生誕百年記念 映画監督三隅研次」。見るもの全て初見。
『なみだ川』(67年)、過激で美しい姉妹愛に涙し、やっぱり若い頃の細川俊之の色気はやばいなと再確認し、久しぶりに「これほんまに幕末時代に撮影したんちゃうか」と思えるほどの時代劇を大いに堪能。だってあのお茶屋のおばさんとか結婚相手のお母さんの顔なんか、絶対60年代でもいてないって。激しく降る雨、吹き荒れる風、結局あの兄貴はいい奴なのか悪い奴なのか…。
『舞妓と暗殺者』(63年)、新藤兼人オリジナル脚本ということで、倒幕を夢見るド左翼貧乏侍が主人公。それを演じる若き日の津川雅彦のかわいいことよ。侍やけど好きな女の子と話すときには素かと思わせるような自然体がたまらん。映画全体にも若々しさに満ちたエネルギーを感じさせる、がしかし、いつの時代にも若者の夢を邪魔する汚い大人はいるもので、裏切り者のリーダーとの決闘、激しく戦った末のラスト、いきなりのどエロい幕切れで度肝抜かれる。あんな展開初めて見たわ…。
と非常に濃厚な映画を二本立てでお腹いっぱいになっても、それぞれ80分以内という事実に改めて驚愕。