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1.29

「生誕百年記念 映画監督三隅研次」5&6

だんだんと若いお客さんが増えてきてる気がするシネヌーヴォさんで「生誕百年記念 映画監督三隅研次」にて、『鬼の棲む舘』(69年)谷崎潤一郎の戯曲が原案とのこと、とにかく新珠三千代の存在の前では、ワルぶってる勝新太郎も従順な飼い犬のように主人に従うしかなく、高野山に出家したはずの佐藤慶も簡単なハニートラップに引っかかってしまう、女は恐ろしい… (いや男がアホなだけ…)、そんな映画だった。あまりにもあまりにも過ぎて途中結構笑った。しかし確かにこの新珠三千代は鬼がかった美しさは怖いほどに圧倒的ではあったが、この高峰秀子はさすがに可哀想過ぎないかい…。
これは絶対見たかった『桜の代紋』(73年)主演だけじゃなくて原作も若山富三郎なのね。本人演じるヤクザ丸出し刑事が、取り調べで若き日の石橋蓮司に対してやってることがあまりにもただの拷問過ぎて70年代でもさすがにアウトなんじゃないかこれはと不安になりしながらも、映画全体の緩急の激しさに痺れ、後半のクライマックスで流れるベースとリコーダーという謎過ぎる音楽に痺れ、大滝秀治の組長も良いのはもちろんあの殺される場面の椅子に痺れ、そして関口宏が役者やってるの初めて見て驚いたりした。と全体的には期待以上に素晴らしかったのだが、ただやっぱり、あの養子になった女の子さすがに可哀想過ぎるかと…。