1.31
『春原さんのうた』
本日もせっせとシネヌーヴォさんへ、三隅と思わせて、杉田協士監督『春原さんのうた』の初日へ。あまりに真逆の作風に、劇場のモギリの方にはこいつ分裂症かと思われたはず。
実は昨年に試写で一度拝見しているこの作品、しかし一度では何がどうなってるのかよくわからない箇所多数(これは私の理解力のせいではなくそういう作りの映画のせい!)、二度目でようやく色々わかった、と思ったらそれでもまだ勘違いしてたこともあったりするんですが、まあそうやって見る人によって変化する映画ってのもあるでしょうあるでしょう。
バイトしながら、ご飯食べながら生活する女性の日常、ふと現れる親戚や同僚やどうやらこの世にいない人。でもその明確な違いは常に曖昧、もしかしてあの人は生きているのか?いやこの映画に現れる人はみんな死んでいるのか?それすらもわからないんだけど(未だによくわかってないんだけど)、まあそれならそれでいい、という時間が静かに流れる120分。そこかしこに死のにおわせがあるけれど、怖いとか悲しいとか、不思議とネガティヴな感情は起こらない。こんなセンシティブでパーソナルな映画を大阪の人間が理解できるとは到底思えないのだが、ヌーヴォ初日は満員御礼で何より何より。大阪の友人も東京の友人も見に行くように。