2.12
『理大囲城』
山形国際ドキュメンタリー映画祭での配信上映を見逃した怠惰な私は、せっせと座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルに足を運び、『理大囲城』(20)を無事見たのでした。
監督も撮影も出演者も匿名の作品、なのでぐっと細かい詳細は不明、19年の香港で民主化を求める若者たちのデモが激化し、警察が包囲した香港理工大学のキャンパス内に籠城し抵抗を続ける学生たち。デモ隊の内部からその数日間を捉えた迫真の88分。満員のお客さんの中には中国からの留学生らしき若者たちもちらほらいた。上映は一度きりの映画祭とかじゃないと許可されないらしい。
最初の方は、デモ隊の呼びかけに応えるそぶりを見せる警察(音楽を流し合うところとかさ)の姿なんかもあって、「お、やっぱりニュースで見てる極悪中国の姿だけでなく、警察にも話がわかる奴がいるもんなのね」と思ったりしたけれど、すぐに訂正、未成年や二十代の男女に対して、しかもただ民主化を求めてるだけの、追い詰め方が半端なく、見てて本当に辛い。辛いよ。なんで抱き合う恋人たちにあんなことするんよ。
上映後のトークで「内部分裂」とか「内ゲバ」という言い方をしてたけど、このデモ隊がだんだんバラバラになっていくのは、汚れていくキャンパス内で食料も尽き、まともに寝ることもできない先の見えない時間、単なる激しい疲労によってみんなイライラしてしまっただけで、分裂したわけではないように思う。あれは、あれ以上は無理よ。辛いけど。
自分やったらどうするやろうと考えたけど、やっぱ本気出した警察は怖過ぎるよな刑務所でレイプとか拷問とか絶対嫌やし…と速攻でひよる。ごめんなさい。