3.18
『ウエスト・サイド・ストーリー』
一週間の東京中にダッシュで見た映画メモ、スティーブン・スピルバーグ監督『ウエスト・サイド・ストーリー』、池袋のなんか音響のいい劇場で。
なんたって私は61年の『ウエスト・サイド物語』を見たことがなくて、勝手に「アメリカのガキが喧嘩してる映画」くらいのイメージしか持ってなかったんですけど(我ながら酷い)、今回見て、こんなに人種差別についての映画だと初めて知って驚いたのでした。映画の中の白人と現在の日本のネトウヨの使う言葉が同じっていうね。
冒頭のカメラがぐわーんと動くドローンじゃない長回しから興奮できて良き、トニー役のアンセル・ゴートン君も可愛くて良き(無駄に背が高い男の間抜けな愛らしさよ。歌下手やけど)、「ジェッツ」のリーダーがもうちょっと冴えててくれてもいいかな…と思わなくもなかったし、若者のダンスが意外と揃ってないな…とBTS脳は思ってしまったりもしたけれど、『レディ・プレイヤー1』みたいなイマドキの若者をバリバリCGの世界で作った人がどんな心境の変化でこんなアナログ(に見える)なヤングたちの姿を撮ろうと思ったのだろうか。お兄ちゃんの恋人が素敵だった。
映画自体はリメイクとはいえ、あのトランスジェンダーのキャラクターは現代のオリジナルなのかな。迅速なアップデートは素晴らしい、しかし21年のミュージカル映画『イン・ザ・ハイツ』でもマンハッタンに住むプエルトリコ系移民たちの労働の歴史と今でも続く偏見の話だったし、現実はまだまだ辛ぽ。
しっかしこのラスト、まさかあんなミキの昴生そっくり男があんなことして終わるなんて…。元から嫌いやけど昴生がもっと嫌いになった。