『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』
すっっごい久しぶりに見る映画は全体的にアゲめで楽しそうなやつがいいなと、サム・ライミ監督『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を、このシリーズ一本も見たことないけど選んでみた。今回初めて、ドクターが外科医ってこと(だからあんなにやたらめったら魔術を使って敵を切るのか)と、レイチェル・マクアダムスちゃん(大人になったねえ)と過去に何かあったんだなってことを知る。あと、ライミさんはタコが好きなんだなってことも。
冒頭から一つ目のタコお化けみたいな敵が大暴れ、その後もとにかく派手に色んなことが起こりまくるけど、「ごちゃごちゃし過ぎて何が起こってるのかわからん…」的な事態にはまったくならないのは本当にさすが。あのごちゃごちゃの極みみたいなマルチなバースを一気に駆け抜けるところは楽し過ぎてもっと長くてもいいのにアニメがあるなら白黒とかさとまで思った。
と基本的には感心感動しつつ、爆笑ポイントがいっぱいあったと思うのに天王寺の客には通じなかったのか劇場はシンとしてたけど、あのパラレルアベンジャーズの「誰やねん!」感とか異世界にあったトラウマが見えるマシーンのエグいプライバシー侵害とかラストの魔女が冷静になるきっかけ(あれだけ暴れて、「化け物だー!」と泣き叫んで隠れる子どもにしょんぼり)とか、かなり笑った。お墓から腕がぐわっとか、音符バトルとか、そういうのもワクワクテンション上がって良かった良かった。
どんなけ慈善活動をしようと、顔全体における目から下の長さとおでこの狭さのバランスがどうしても受け入れられなくて、ずっと苦手なベネディクト・カンバーバッチ。でもまさか一番熱い場面が腐乱死体姿だとは思わず、ちょっと見直した。でも最後の最後にシュッとしたイケおじ感出しててちょっとイラッとした。あと、いくらなんでも過去の恋愛引きずり過ぎでは。