『ELVIS エルヴィス』
エルヴィス・プレスリーといえば「ハワイで別荘見かけたな〜」くらいの記憶しか持ち合わせてなかったけれど、バズ・ラーマン監督『ELVIS 』を見た今ではもう、エルヴィスは神。キング。やばいくらい興奮したこの映画。とにかく、ここぞというシーンが全部胸熱過ぎる。最高。あの歌声の迫力とビジュアルのイメージから60くらいで死んだっけ?と思っていたが今のわたしと同じ歳で死去してたんですね。
エルヴィス本人だけじゃなく、バズ監督作品も『ロミオ+ジュリエット』(96年、前期ディカプリオの最高傑作と思ってるけど)以降は特に興味を惹かれることもなく、ゴチャゴチャしがち系監督として勝手に処理してたけど、今回はそういう、今まで私が苦手と思っていた監督の特徴が全部良い方に転がってくれた感じ。冒頭から目まぐるしい勢いと映像と音楽で攻めてくるのが、楽しい。
そして何より、わたくしここ最近で一番自分の無知を恥じたくらいに、エルヴィスと黒人との関わりや黒人音楽の影響なんかを薄ーくしか知らなくて、自分の信じる音楽を続けるエルヴィスの姿にマジで震えるしなるほどこれがロックなのかと納得できたし、当時と大して変わってない現代に見るべき映画だと強く思ったしBTSには見ててほしい。彼らも数十年後バズ・ラーマンで映画化希望。
エルヴィスを演じたオースティン・バトラー君。デビュー時のあどけないエルヴィスから晩年のくたびれたヤク中エルヴィスまで、本当にお見事。やっぱりラスベガスの舞台かな、あのパワーには呆然とするくらい圧倒された。初めて男の下まつ毛を魅力的に感じた。
そして、マジでこいつ殺したろかと思うほどにウザいパーカー大佐を演じたトム・ハンクスの演技力はさすが過ぎた。何ひとつ同情するところもない最低さ、トムがここまで完璧に悪い役をするのも珍しいんじゃないかってくらいに嫌な奴だった。これまたお見事。
見終わってすぐ「もう一回見たい!」と思ったら既に夏休み映画に押されて上映館が減ってるのね…。みんな見れるうちに絶対劇場で見てー!