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8.25

『モガディシュ 脱出までの14日間』

1990年のソマリアで韓国大使に何があったかなんて知る由もなく興味も持ったことないけれどまさかこんなことになっていたなんて実話とは俄かに信じ難いけれど超面白かった、リュ・スンワン監督『モガディシュ 脱出までの14日間』。
韓国大使御一行は国連への加盟を巡ってソマリアで北朝鮮大使たちとバチバチ争っていた矢先反乱軍が首都モガディシュに突入、敵と見なされた大使館も攻撃の対象となり、マジでヤバい戦場状態の中からなんとか脱出の方法を探るがこれ如何に、的なお話。
まず、アフリカの内戦なんて今までハリウッド映画でしか見たことないけど、この映画のそれは完璧に見たことある内戦。つまり戦争の迫力や臨場感を描くのに韓国の技術は完全にアメリカレベルなんだなということがはっきりと確認できた。ラストのあの車での脱出劇も凄かったけど(途中、車を通過するカメラ、どうやってるの??)。だからと言って完全にハリウッドみたくシュッとしてるんじゃなく、大使と書記官のやりとり(電話の妨害とか)なんかはめっちゃ韓国のおっさん感があって安心感も有り。
戦況がマジ半端なくヤバくなっていくスリル、追い詰められていく大使館内部の模様、それだけでも十分ドキドキハラハラ、その中に南と北の政治的な問題を大胆に絡め、繊細な演出で静かに感動させる、ぐうの音も出ないほどおもしろい。しかもちゃんとそこには作り手のファッキンイデオロギーが伝わってくるっていうね。泣ける。
俳優さんたちもみんな良かったけど、やっぱり韓国大使を演じたキム・ユンソク氏に圧倒されたかな。最近よく見るク・ギョハン氏、なんか毎回大体こういう感じの役やらされてるよね…。
いやあ本当に、アクション映画好きにも韓国映画好きにも人間ドラマものが好きな人にもお勧めできる、絶対見て損はない映画だと思いました。10代の夏休み映画は『キングダム2』じゃなくてこっちにするべきなのよ…。