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8.31

『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』

この監督の過去作は一応見てるけどあんまり好みではなかった記憶、でも真面目な私はイルディコー・エニェディ監督最新作『ストーリー・オブ・マイ・ワイフ』を午前中から見に行ったら三時間近くもあって軽く舌打ちをする。
生真面目そうな船長さんが「カフェに最初に入ってきた女性」と結婚し、それなりに幸せな新婚生活を送っているかと思いきや妻の男友達の登場により船長さんの心はかき乱されていく…。
キメキメの照明、バキバキの演出で描かれる静かな男女のやり取りに、はじめは「むむ、これは何か高尚なことを描いている映画なのか?」と身構えたのだが、だんだんと「ちゃうわ、男が馬鹿なだけの映画や」と気づいてからはヘラヘラ笑いながら楽しめて、169分でも長く感じなかった。よかよか。タイトルはちょっとした詐欺。
男って馬鹿で情けないってだけで一本映画が作られるなんて可哀想、挙句身投げまでさせられて…と一瞬同情しそうになったが、まあ自業自得だから仕方ないのか。最後のモノローグにも「今さらカッコつけんなって」とワロた。
妻のレア・セドゥは相変わらず激マブで、そりゃ確かにこんな妻なら過剰に心配なのもわからなくもないけれど、それに対して船長さん役のハイス・ナバーさんの絶妙な表情が最高で、絶妙に知的に見えない、ダンディな魅力に欠ける、でも決してキモいわけではない、素晴らしいキャスティングだと思いました。どこまで狙ってるかは分からんけど…。お気に入りのルイ・ガレルがジョコビッチばりの砂鉄みたいな髪型で、結構ショックが大きかった。