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10.17

『ドライビング・バニー』

毎度のことながらいつ見たかも定かでないくらい時間経ってもうたけど、ゲイソン・サバット監督『ドライビング・バニー』。
前科持ちの40歳子持ち女性の主人公バニー、妹夫婦の家に居候しながら日銭を稼ぎ、愛する子どもたちとの同居を夢見て今日も懸命に頑張るも、ただ親の暴力や虐待から子どもたちを守りたいという気持ちと社会に対する猛烈な怒りから、気がつけば人質をとって立てこもり事件を起こすことに。
社会の女性且つ経済的弱者への偏見や差別に対する憤り、さすがにブチギレて姪っ子と2人盗んだ車で走り出し、無茶ばっかり繰り返すのは気持ちよく、後半人質なはずの役所の女性との絆なんかも泣けて良かった。よ。
映画に出てくるのはほぼ女性、監督も撮影も編集もプロデューサーも女性、監督にいたってはニュージランド在住の中国人レズビアン、というなかなかのガチっぷりで、そりゃ男が作った女性映画より面白いのは当然なんだけど、なんか、何かが、鈍臭いというか田舎臭いというか、いやスタイリッシュならいいってわけじゃもちろんないけど、その理由がニュージーランド映画だからとか最低なことは言わないけど、いやそうなのかも知れんけど、決して悪くないのに惜しいのよ、何かが…。